同居ゲーム
*第2章*
主婦化
同居ゲーム開始。
あれから随分時間が経った。
もう、春の暖かさは度を超して、暑くなっている。
あ〜、洗濯物がよく乾きそう。
15歳のくせに、そんなことを考えてしまうあたしはオバサンか。
校庭に面しているベンチでお弁当を食べながらそう思った。
「あの、由宇希さん?」
遠慮がちな声に振り向く。
宏樹が背中を屈めて、上目遣いにあたしを伺っていた。
「大分ボーッとしてるけど?」
「あ、いや。
夏だな〜って。」
「あんたさっきも言ってなかった?」
黙々と箸を口に持っていきながら、彩華は言った。
そうだったっけ?
ヤバイ、覚えてない。
「あたし覚えてない…。」
宏樹は一層心配そうになった。
「由宇希、保健行って来るか?」
「いや、大丈夫。
だと思う。」
「だと思うって…。」
呆れた、という風に彩華はため息をついた。