同居ゲーム
家からスーパーまで20分と少し。



何とか間に合ったものの、カートの前には人がひしめいていた。



要するに、レジに品物を通すのが5時ならいいのだ。



それまでにみんな品物を選ぶ。



対象品の印の赤いシールが貼ってあるのを見ると、目はそれを吟味する。



これは、悲しき性だ。



それでも女達は、家計の節約の為に体を張る。



あたしも何とか目当ての肉を手に入れた。



あとは、付け合わせにするもやしとピーマンだ。



玉ねぎは冷蔵庫にあったから、それで済ませる。



これだけで得した気分になるから不思議だ。



小さな幸せを見つけるたび、あたしの心は踊った。



レジを済ませ、スーパーを出る。



今は夏。



まだまだ明るい。



いつもに比べて軽いエコバッグを軽く揺すり、家まで歩く。



行きは早足だったけど、今はペースダウン。



まだ海斗達は部活だから、急ぐことはない。



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