同居ゲーム
…本音は、誰もいない家に帰りたくなかった。



今、ゆっくり歩いたら、早めに帰ってきた誰かが迎えてくれるかも。



そう心の底では思っている。



嫌な考え方だ。



あたしがご飯を作って待っていたら、喜んでくれる人がいるかもしれない。



あの主催者の部下の人が言っていた、「わけあり」の人達の集まり。 



あたしみたいによくわからない寂しさに浸っている人がいるかもしれない。



あたしは、そんな人達を支える人になりたいなぁ。



飛んでいくヘリコプター、交差する飛行機雲があたしを元気づけているみたいで。



バッグを振り回すのを止めて、無意識にギュッと抱いた。







ハッと気付いたときには、肉は生ぬるくなっていた。





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