同居ゲーム



どうしよう、ご飯の用意出来ちゃった…。



そろり、とカウンターの陰から覗くと、リビングは静まり返っている。



央はしょんぼりと座っているし、美喜さんは不機嫌にケータイをいじっている。



川端さんは…相変わらずだ。



カチカチとケータイのボタンを押す音だけが響いていた。



と、その時。



ガチャリと鍵が開く音がして、岩谷さんが帰って来た。



廊下からのドアを息を詰めて見つめていると、眼鏡を押し上げながら岩谷さんが入って来た。



一瞬、しーんとしているリビングを見渡し、頬をぴくっと動かす。



そして、顔を覗かせているあたしを何とも言えない目で見た。



助けて、と口パクで伝える。



「…………………着替えてくる。」



逃げた!



逃げられた!!




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