恋してキューピッド！

ジョーが自転車を止めて数メートル先を指差した。


そこには救急車やらパトカーが止まって、野次馬で慌ただしくなっていた。



「怖いわよね～！」

「ホントホント！」



野次馬から抜けてきたオバサンたちが眉間にシワを寄せながら横を通り過ぎて行く。



「あの、すいません。なにがあったんすか？」


ジョーが声をかけるとオバサンたちは足を止めこちらに近付いた。


「横断歩道渡ってる最中に心臓発作で倒れた人がいたみたいなのよ！」


「信号が青に変わる瞬間だったから車も渋滞して交通がマヒしちゃって…ねぇ？」


「怖いわよねえ～。」



話しているうちに救急車はまたピーポーと音を鳴らしながら出発していった。



「ふぅん…大丈夫かな。」


「……うん。」




こんな間近で事件事故に遭遇するとは…


世の中何が怒るかわっかんないなぁ…





……………ん？




「……………あれ…」