恋してキューピッド!
遥………先輩、だよね?


野次馬が散っていく中、少し離れた場所で横断歩道を眺める遥先輩の姿が見えた。



なんでこんなとこに…



しかも、いつもの遥先輩と雰囲気が違うような…




「ごめんっ、ジョー!先帰ってて!ごめんね!」


「え!?おいっ!」



自転車から降りると遥先輩目指して走り出した。



「…なに、この放置された感。」





―――――――――


「はっ遥せんぱいっ!!」



「……美羽。」


「…………………」






やっばー…

走ってきたのはいいけど、完全なるノープランだったー!

どうしよ…

さっきのジョーんときと同じパターン!




「今、帰り?」


「はっハイ!先輩もですか!?」


「うん。」


「あー…のぉ…なんだか事故が、あったみたいですね。」


「…現場、見てた?」

「いや、さっき来たばっかりなんで現場は見てないんですけど…」

遥先輩は少し困惑したような表情であたしを見た。メガネの奥の先輩の真っ黒な瞳に吸い込まれそうになる。


そういえば最近先輩メガネかけてること多いな。


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