恋してキューピッド!
「ちょ…足っ…先生…先生!足しびれて立てない!」


「アホか!知らんわ!」


「ギャー!先生それ体罰ー!」



香月って女は足がしびれてとてつもなくダサい態勢になっていた。しかもしびれた方の足を叩かれもがいていた。





アイツ、



おもしろいな。




中学校に入ってから寿命の短いヤツを探した。


探す方法は簡単で、人間界でも普及しているメガネ。これをかけるだけ。


それだけで、そいつの死亡日が分かる。


ただ、僕は失敗した。


中学校という場所は子どもが集まる場所なだけに、みんな余命が長い。


数十年先のヤツばっかり。


そんな中、イチバン余命が短いヤツがいた。




それが香月だった。




ただ殺すだけというのもつまらないので、とりあえず香月というやつがどういう人間なのか知るために近付くことにした。


僕が話し掛けると、香月はえらい慌てていた。


ある日、下の名前の“美羽”で呼んでみた。


相当喜んでいた。ニコニコしていた。


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