恋してキューピッド!
「別にいいけど…ジャマはしないでね。」


「しないしないっ!でも~…お前に気があるんだっけ?」


「たぶんね。」


「もし好きな人が遥だって言われたらどうしよう。俺、矢打てないじゃん!」


「そうだね。僕人間にならなきゃだし、恋にもペナルティついちゃうよ。」


「やっぱやめようかな…」


「意志弱いなぁ…」


「うるさい~。」


「まぁでも、余命までには違う人のこと好きになってるかもしれないし…」



「そっか!確かに!……ねぇ遥、まさかとは思うけど…」


「なに?」


「ソイツのこと好き、なんてこと、ないよね?」


「なにバカみたいなこと言ってんの。斬るよ。」


「だよね。ならいいんだけど。好きになったらどうなるか分かってんだろ?」



「もちろん。」



人間を好きになった場合。


死神失格の烙印を押され、人間として生きることになる。しかも、死神だったことの記憶も人間として生きていた記憶も全部消える。僕と関わっていた人間の記憶からも僕の存在は消える。


自分が一体誰なのか分からないまま生きていかなければならない。



そんな無様な生活、送りたくない。


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