恋してキューピッド!
次の日、


僕は恋を屋上に呼び出した。



「久しぶり、遥くん☆」


「随分派手にやってるみたいだね。」



恋が同じ高校に入ってきていたのは知っていた。そして恋のキューピッド様として有名なのも知っていた。



「学校っていいところだね☆みんな誰かに恋してる。毎日毎日打ち放題♪商売繁盛ですよ。」


恋はニコニコして答えた。



「いいよね、お前の仕事は。人を幸せにする仕事だよ?重宝されるに決まってんじゃんね。なんで僕ってよりによって死神なんだろう…」


「どーした今さら。なんか気持ち悪いんだけど…悩んでもしょうがないでしょ。俺たちにはこの道しかないんだから。」




確かに。

恋の言ってることは正しい。



どの道に進むかは勝手に決められる。



天使としての仕事を経てからどの神になるのか振り分けられる。



だから僕は好きで死神になったわけじゃない。



とか言ってなんだか言い訳がましいね、僕。



「でも好かれるばっかじゃないのよ、俺も。」


「ふぅ~ん。」


「香月美羽とかね。」


その言葉に僕はピタリと止まった。


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