恋してキューピッド!
情けない顔をしたまま顔をあげる。


笑い声の中、あたしの目に映ったのはまさに“あの”神崎クンだった。


目の色はキレイな明るい茶色でパッチリ二重。肌は真っ白で顔は遥先輩並みにちっさい。さっき笑ってしまった髪型も真正面から見ると軽くバカにしたことがカナリ申し訳ないレベルで似合っている。


「ケガ、してない?」


な、なにこの人!
スッゴイキラキラしてるー!
まぶしーっ!
めちゃくちゃオーラあるー!



…気がするー!




ポカンと口を開け、呆気にとられたような顔をしてるあたしに神崎クンはイスに座ったまま、サッと手を差し伸べてくれた。



「……あ、ありがとうっ。」



おーっ!
なんだこの展開!
マンガでよく見る光景だぞーっ!
少女マンガだったらここから恋が始まるんだよ~!

心なしかあたしもちょっとドキドキしてるしー!


先輩ごめんなさいっっ。


あたしは差し伸べてくれた手にドキドキしながら自分の右手を乗せ、ゆっくり立ち上がった。


神崎クンはあたしの顔をジーッと見ながら手を握っている。


なっななななななに!?


「大丈夫か、香月~?」

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