恋してキューピッド!
昇降口に向かいながらカバンをゴソゴソとあさる。


「ケータイ…携帯っと……………ん!?」



あり?
ケータイ……



立ち止まってさらにカバンをあさる。



「ケータイがないッ!」



ガーン!
ないんですけど!
え~!?
どうしたんだっけ……


眉間にシワを寄せ、腕組みをして記憶を巻き戻しする。



えーと…………




あ、




「机の中だ☆」



マンガみたいに頭の上で電球がピコーンと光ったカンジがした。



階段を昇って教室に向かう。

校内にはほとんど人がおらず、グラウンドで部活を行なっている生徒たちの声と、4階の音楽室から管弦楽部の演奏がやけに響いて聞こえていた。



教室がある3階にようやく辿り着くと、ちょうど教室の一番後ろのドアがあいていた。





「あれ…誰かいるのかな…」



入ろうとした瞬間サッと人影が見えたので、あたしはそーっとドアに隠れるようにして教室の中をのぞきこんだ。


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