恋してキューピッド!
ジョーが振り向きもせずに言った。ジョーのワックスで整えられた茶色い髪の毛が風に揺れている。


「うん♪信じてるよ!」




神様は絶対いるもん。

いつも雲の上から人間界をのぞいていて、毎日占い師の人に「今日は〇〇座が運勢悪いっぽいぞ。そう伝えといてくれ。うっひょっひょ☆」って言ってるに違いない!

じゃなきゃ占いなんて存在しないもん!







「………はあ。」


「あ!ちょ…なにそのため息ー!今絶対バカにしたっしょ!」


あたしはジョーの背中をボカボカ叩いた。



「いてててっ!やめろ!別にバカにはしてないけど…なんつーか…相変わらず成長してねーヤツだなぁと思って…」


「なにそれ~!」


「だってお前サンタも信じてるじゃん。」

「いやいや!サンタは絶対いるからー!」


「……まぁ…信じる信じないは人それぞれだけどさぁ~…なんでもかんでもホイホイ信じ過ぎるのもロクなことになんねーから気をつけたほうがいいぞ~。」


「う…なにそれー。どういう意味ー。」


「将来、サギとかにあうんじゃないかって心配してやってんだよ、俺様は。」


「余計な心配ありがとう!」


あたしは少しムッとして答えた。

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