瞼の人-マブタノヒト-

その日は一日中ドキドキしてた。


朝からドキドキしすぎでこんなにドキドキしてたら心臓に悪いんじゃないかって思う。


早く帰る時間になってほしいような、なってほしくないような…
ソワソワして落ち着かなかった。


それは隣の席に座るユーリも一緒みたいで、二人並んでモゾモゾそわそわ。


「ヤバイ、澪〜…今から緊張してる!!こんなに緊張してて帰りまでもつかな??」

『私も。しかも顔が…ニヤける。』


ニヤニヤして、キャ〜と奇声を発して、どっからどう見てもおかしい二人。
授業中って事も忘れて騒いでた。


もちろんその度に先生に怒られた。
そんな私達を見て花とメグが爆笑してたのなんてちっとも気付かず


「『キャハ〜〜〜〜〜〜』」


「中川!!木田!!お前らいい加減にしろ!!」


先生ごめん。
今は何も耳に届かないの。


「『ウハ〜〜〜〜〜〜〜』」


二人の奇声とみんなの笑い声がクラス中に響き渡ってた。


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