瞼の人-マブタノヒト-

「澪〜おつかれ〜〜。
はい、高宮お届けに参りました。ハンコお願いします。」


タケ…ごめん。今、笑えない。


私と高宮君を交互に見てニヤニヤしたタケは

「じゃ〜…澪。俺今日は帰るから!!修平、澪と仲良くしてやってな。」


『は?えっ!!タケ…(何故帰る??)』


「よ・う・じ!!あんの!!
澪みたく暇じゃないの!!じゃね〜〜。」


…馬鹿タケ!!
どうしよう、何話せばいいかわからない…。



『ぁ、…お疲れ様。』

「木田さんもお疲れさん。」


見上げるとそこには高宮君の笑った顔。
つられて私も笑った。

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