瞼の人-マブタノヒト-
あまり話すタイプじゃない高宮君。

特に女子と話すのは苦手だって誰かが言ってた。




少しの沈黙の後、話すきっかけを作ってくれたのは高宮君だった。


「はは、メールと一緒だ。」

『えっ?メール??』


突然の事で何か解らない私に


「うん。ほら、お疲れ様って。」

『あ…、本当だね。』


そんな些細な事にも気付いてくれた事が凄く嬉しかった。


『あのねっ…メールウザかったりめんどくさかったら言ってね。私、メール苦手だからつまんないだろうし…』


どんどん小さくなる語尾。
出てきた言葉は私の素直な気持ちだった。



「あ…正直メールも電話も苦手なんだけど。でも木田さんのメールは嫌じゃない。」


そう言って笑ってくれた。
凄く凄く嬉しかった。

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