瞼の人-マブタノヒト-


『何?』


自分でもビックリするぐらい冷たい声が出た。
でも今はそうでもしなきゃ普通にいれなかった。



声を掛けて来た人がこの人じゃなきゃ、もう少し愛想よく出来てたと思う。





いきなりこんな態度を取られたら普通なら怒ってもいいはずなのに、目の前に座った凌治は楽しそうに笑った。


「泣きそうな顔してる。」





ビックリした。


昨日話したばかりの人に言い当てられて、ポーカーフェイスは得意だった。
人前で弱さを見せるのも
誰かを頼るのも嫌だった私。


どうしてこの人は気付いたんだろう??
ずっと一緒のユーリや花でさえ気付かないのに…

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