瞼の人-マブタノヒト-
「だからちゃんと止めただろ。大丈夫かぁー??澪。」
「ちょっとタケ君黙ってて?」
外野で騒いでるタケを気にする事もなく。
俯いた私の頭を優しい大きな手が慰めるように撫でる。
いつもなら学校でこんな事しない凌治。
違うか、私が近付かないのか。
ユーリも釣られるように私の肩を撫でてくれる。
そんな私に届いたのはもっと外野の無遠慮な声。
「あー!!高宮の彼女の浮気現場!!ダメでしょーあとでチク…」
最後まで言わなかった…いや、言えなかったのはタケか凌治が威嚇したからなのか…それともユーリなのか…
俯いてる私にはわかるはずもなかった。