瞼の人-マブタノヒト-
いらっしゃいませ〜
タケがパフェって言った時からわかってた。
着いた先は私達が最近よく行くファミレス。
「いらっしゃませ、3名様でしょうか?禁煙、喫煙ご希望はございますでしょうか?」
笑顔を貼り付けた店員さんがマニュアル通りに案内してくれた。
案内された席は3人で使うにはゆったりした広い席、座って渡されたメニューを開く。
もう内容はほとんど覚えてるメニュー。
「澪はパフェだろ。ぱふぇ。澪大好きだもんな、ここのパフェ。」
デザートの欄をほとんど占領している大きなチョコパフェを指差して、楽しそうに言う凌治。
ここのパフェは一人では食べ切れないぐらい大きくて、いつもみんなで分けて食べる。
私の好きなのに付き合ってみんなが食べてくれてる。
って、事になっているんだけど本当は私以上に凌治の大好物で…
今も目の前に座った凌治は見慣れたメニューをキラキラした目で見ている。