瞼の人-マブタノヒト-
「澪ーーぃ。帰ろうじょ!!見たいテレビあるからー!!」
『ん〜。今行くー!!…じゃ、またね。』
タケと凌治に手を降って、ユーリ達のもとに行く。
スルリと自然に私の定位置に移った凌治。
やっぱり苦手だなっとぼんやり思った。
あの手に巻かれたマフラーが何故か落ち着かなかった。
「澪いいなぁ〜。瀬戸君と話してたでしょ、いいなぁ〜〜!!」
『…?瀬戸君??』
「はぁ??瀬戸凌治君!!かっこいいよねぇ〜。」
グループの中でもミーハーな花がウットリしながら言うから少しおかしかった。
瀬戸凌治。
まぁ、確かに顔は良かった…かな。うん。
「澪は今高宮に夢中だもんねぇ〜〜。」
突然出された名前に飲んでたお茶を吹き出しそうになった。
「ね、ね。今からみんなでラブメール送っちゃお〜よ!!花は〜斎藤君〜〜♪」
「ちょい待った!!斎藤君ってサッカー部の??花アド聞いたの??」
「えへ〜、今日聞いちゃった。」
さすが花!!とみんなで頷いた。