瞼の人-マブタノヒト-
何度か繰り返したメールは返信を待ってる間に寝ちゃってたみたいで、起きて携帯を確認しても高宮君からの返信は無かった。
『行ってきまぁ〜す。』
入学してすぐ高宮君を知った。
背が高くて何に対しても興味が無いですって表情が印象的で、話すと低い声が以外だった。
5月の雨の日、廊下でじゃれてる友達を見て高宮君が笑った。
普段の顔からは想像つかない、その笑顔に目が釘づけになってた。
もしかしたから最初から
気になってたのかも知れない。
自然と目が高宮君を追ってて、ずっと笑った顔が見たかったのかも知れない。
あの日から高宮君が特別になってた。