フェザールスタの肖像

窓の外に王子は何を見てたんだろう。美しい横顔が本当はもっと歪んでいたかもしれない。

私は、他の部屋も説明を受けたが、上の空だったと思う。
王子の悲劇は、ショックだった。

誰も助ける事をしなかった?
誰も名前もメモ一つに名前さえ書いて隠さなかったの?
ファンヌは死刑にして、何とも思わなかった?
愛してたんでしょう…?


階段を下りて、ハイトさんのお待たせしました。と言うと

「どうしました??悲しい顔ですね。」

私は笑って、

「なんだか、あの王子の話を聞いたら悲しくなったの。」


あぁ、と言うとハイトさんは
「城に戻ったら、ハイランド・ティーにいたしましょう。ちょうど、ケーキも焼けている頃です。」

ハイドさんの気遣いが嬉しかった。
「嬉しい、おいしいケーキ??」
気落ちしてても仕方が無いか…と思いにっこり答えた。

私は車の中から王子の横顔を思い出していた。
< 21 / 94 >

この作品をシェア

pagetop