フェザールスタの肖像
ピエロから猫にセロにこの土地を守る騎士団。
騎士団と言っても、同じ様な黄色のサテンの上着にモスグリーンのパンツを履いた普通の人達が着てるだけで、街のシンボルみたいなものらしい。

私はあれだけ教えてられたワルツを、踊る事もせずにハデに着飾った椿姫やらをみていた。

ボーンボーンボーン
街の時計台が鳴りだした。


談笑していた人々が鐘の音を合図に、手を取り始めた。

ロンドが流れ始め、人々がステップを踏み、女性が軽やかに飛ぶ。
色とりどりの趣向を凝らしたマスクのしたから笑い声が漏れ出す。
ステップの音、男女の笑い声、オーケストラのロンド、全ての音が私に降りかかる!

圧倒されて、頭の中心がジリジリする。
目が廻る感じ、フラッとしたと思った時
グイッと腕を取られた。
マスクの向こうに碧眼の瞳、薄いピンクの唇が誘う様に微かに笑う。
体に力が入らないまま、ロンドの輪でクルクルと廻され、ふらついたまま彼の腕の動きに翻弄される。
見上げればシャンデリアが廻る。
踊り手が変わり、私を持ち上げるシャーロック・ホームズ!
次はアルセーヌルパン?
グルグル踊り、盛り上がりる踊り手達が声を合わせて謳う。
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