フェザールスタの肖像
「我が姫はどちらに?」


私はぎゅっと胸に抱きしめられ身動きが取れない。

絶対、ややこしい事に巻き込まれた。

私を抱く男と取り巻く男達の不穏な空気に怯えてしまう。
殴り合いでも始まりそう?

「我が姫に何かあった時っにっ」
「知らぬ」

私の頭を軽くなでつつ、遮る様に吐き捨てた。

チッ、

舌打ちが聞こえ、マイマールと呼ばれた男はドタドタと周りの男達と一緒に部屋から出て行った。
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