フェザールスタの肖像
「どうして、フェザールスタと名前がわかったんですか?名前は消された訳でしょう?」

オジサマは、ん?てっ顔をして答えてくれた。

「フェザールスタとは占領される前の王国の名前であって、王子の名前ではないんだよ。ただ、銀髪の騎士と呼ばれている。
そうだ、資料館のパンフレットを挙げよう。観光に行ったみるのもいいだろね、週末には年一度の舞踏会もあるから。」


少しシワがついた三つ折りのリーフレットを受け取り、お礼を言った。
石造りの重厚なお城を想像していたが、表紙には二階建ての簡素だけど庭の美しい白亜の洋館が写っていた。

Phon♪
Ladies and gentlemen.
We land soon.
Please confirm that your
seat belt is fixed safely.…

CAのアナウンスが、流れ始めた。
機内はざわめきと拍手が起きた。

もう空港に降りるみたい、私は着陸の不愉快さに身構える。

私は、シートベルトを締めた時、オジサマはニッコリ振り向いた。

「若きご夫人よ、良い旅を…。」

そして、唇だけを動かして、ゆっくりと

GOD BLESS YOU


神のご加護をー。



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