フェザールスタの肖像
「舌を噛むなよ。噛んでも馬は止めないからな。」
ギュスターヴは、馬のアブミで器用に立ち上がり、メイドから受け取った弓矢を背中の弓筒から引き出した。
静かに馬を進め貴族達の中心に進む。
夜会服の紳士淑女は静かに馬をなだめている。
静かな緊張感。
「夜咲鳥を捕まえた者は王子から褒美がある。皆の者健闘を祈る。」
ギュスターヴは月夜に真っ直ぐ矢をかかげ、ふっとお腹に力を入れた。
グッとしなる弓に矢の先に何か装置の様な白い筒がついている
ブンッ。弓から矢が離れて夜に吸い込まれた。
刹那、ヒュ~と高い音をならしながら矢は地上部に落ち
バッンン
赤い石火が走り、金色の花火が暗闇に幾重にも舞い上がる!
「…花火?」
と呟くより
「行くぞっ!」
と王子が馬を走らせると、皆が馬にムチを入れる。
ドドッ、ドッ、ドドッとヒズメで大地を鳴らす貴族と馬達が光に向かっていく。
空には黄金の光に舞う、白い鳥が見える。
白い長い尾を揺らして、羽ばたいている。
光と音に驚いたのか、アチコチに飛ぶ夜咲鳥。
それは黒いベルベットに一気に真珠を転がした様で
「本当にキレイ…なんて綺麗なの…」
と声に出して