フェザールスタの肖像
「……さて、俺達も行くぞ。」

「…うん」

走りさる貴族達は弓を掲げ、幾つもの光を放ち白く飛ぶ鳥達を追いかける。

幻想的な風景に見とれて、生返事。

グイッとお腹に手を廻されギュスターヴと密着。
綱を引き馬が大きく立ち上がり、ギュスターヴに寄りかかってしまうけど、お構いなしに、早馬で駈ける。

あちらこちらで、繊細な火の花びらが落ちる様に光る中を走る。
私達の馬は怯える事なく進むけど、立ちすくみ戸惑い逃げる馬もいるのが見えた。

リズミカルな馬の振動を体で感じ、白い鳥を目で追う。たおやかに羽ばたく羽根は優雅で狩りだとは思えないぐらいに綺麗。

あそこっ!

右手に低空で飛ぶ鳥を見つけて腕を伸ばした。

ギュスターヴは、鳥達を目で追いつつ何かを捜してるみたい。

鳥が降り立つその場所まで行くと、ギュスターヴは馬を止めて素早く鳥を捕まえ、両手で交互に首を押さえて力を入れようとーーー
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