フェザールスタの肖像
意識が戻ったアルベール王子がかすかに腕を上げている、思わず、血と土で赤黒い手を握り、
「ギュスターヴ、意識が戻ったわ!」
ギュスターヴは振り向きざまに、
「すぐに医師に見せます、ご安心下さい!」
と王子に話掛ける。
小さく頷いてアルベール王子は目を閉じた。
蝋燭で照らされる廊下を走り、ギュスターヴは扉を力一杯押し開けた。
私は王子の手を握ったまま、部屋に飛び込んだ。
驚いたメイドがキャと悲鳴をあげたが、ギュスターヴの形相にそれ以上の悲鳴は飲み込んだみたいだった。
バタバタとメイド達が忙しく部屋の準備をしている中、男達はベッドにアルベール王子を寝かし医者が傷の具合を丹念に見ている。
直接触れない様気を使い、しかも手袋をしながら…。
「それでは傷口が解らないじゃない!」
思わず声を出した私に家来達は振り向いた。
「黙ってろ!!!」
ギュスターヴは私に怒鳴りつけた。
「ギュスターヴ、意識が戻ったわ!」
ギュスターヴは振り向きざまに、
「すぐに医師に見せます、ご安心下さい!」
と王子に話掛ける。
小さく頷いてアルベール王子は目を閉じた。
蝋燭で照らされる廊下を走り、ギュスターヴは扉を力一杯押し開けた。
私は王子の手を握ったまま、部屋に飛び込んだ。
驚いたメイドがキャと悲鳴をあげたが、ギュスターヴの形相にそれ以上の悲鳴は飲み込んだみたいだった。
バタバタとメイド達が忙しく部屋の準備をしている中、男達はベッドにアルベール王子を寝かし医者が傷の具合を丹念に見ている。
直接触れない様気を使い、しかも手袋をしながら…。
「それでは傷口が解らないじゃない!」
思わず声を出した私に家来達は振り向いた。
「黙ってろ!!!」
ギュスターヴは私に怒鳴りつけた。