フェザールスタの肖像
レルラーさんは、私が持っていた地図に、ホテルの場所と資料館の位置に印を付けて部屋を出て行った。
肖像画の横顔を思い出して少し楽しみになってきた。
つい天蓋付きのベットを見て、倒れ込んだ。
ぶかふかぁぁ〜。
こんな高級ベットに寝た事なんてない。
シルクのカバーに大の字でゴロン。
天蓋の白いショールは幾重にも重なる様に天蓋から
降り注いでいる様に落ちてくる。
目尻がジリジリしてくる。
私、なんでこんな所にいるんだろう。
今頃、ミュウとユウは仲良くしてるのかな…
うう、胃が痛い。
ごそごそとヒールを脱ぐ。
ほんの少し泣けたから少し安心した。
泣けない自分が少し怖かったし、悲しみが体にたまり
固まりになって強張っている。
恨む気持ちも有るって解ってる。だから、なおさら辛い。
我慢せずに泣いた。もう、泣いて良いよね。
こんな美しくも豪華な部屋で、私はただただ泣いてベットを濡らした。
自分の嗚咽がこんな風に部屋に反響するなんて、少し冷静になったりして。
ごめん、ごめん……、ごめんね……
私は誰かに謝りつつ意識が切れた。