フェザールスタの肖像
「!!!そんなに軽いのですか!」
呆気に明るいブラウンの瞳が大きく見開いたまま、エマはドレスを受け取りドレスの重さを手で確かめてる。
シルクのタフタは確かに重いけど、驚く所かな?
エマはぶつぶつと青いタフタのドレスを抱えて部屋を出て行く。

私はチュチュを外す為にベッド側で隠れる。
アルベール王子に胸元をおもっいきり下げられた時に出来た擦り傷が胸に出来てる。

あ、このビスチェを脱いだら、ブラがない!!

う~ん、困った。
このまま寝るまでビスチェは着ておこう。
もらったナイトドレスは背中と胸の深い所までレースになってて、肌が透ける。これだけを肌の上に一枚だけ着るのは、勇気がいる。

ベッドに入る前にこっそり外そう。


でも、これ…胸元からおへそまでビスチェが透ける…よ。
白いナイトドレスを体に当てて足の指まで隠すドレスを見下ろす。

城のどこかで、アルベール王子は苦しんで、私はビスチェが透ける事を気にしてる。

非現実的状況で下らない事を心配してるね、参ったな…。


今日はなにがなんだか良く解らない一日、深く溜め息を付いて、思い切ってビスチェを脱いだ。

シルクの滑らかな冷たさが肌を走る。
胸の先に当たるシルクの冷たさを隠す様にガウンを着込んだ。

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