フェザールスタの肖像
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何かの鐘の音で目が覚めた。
涙でバリバリの顔を洗うおうと、洗面台へ。部屋全体を移す様な大きな鏡に
有名ブランドのアメニティ、大理石のテーブルにフカフカのタオル。
水出したら怒られそうなくらい清潔な洗面台だよ。

さばばさば、と水で洗い顔をタオルで拭く。
鏡に映った自分の顔は目は腫れてしまっていた。
もう、シャワーも浴びてしまおう。
弱いシャワー圧に面食らったが、石けんで体を洗いサッパリした。
この石けん、バラの香りがする。良い香りが体から香る。
贅沢なバスタイムに少し気持ちが軽くなる。


再度、お化粧をして窓から庭を眺める。
日が少し、斜めになり始めている。お昼は過ぎているみたい。
庭師が綺麗な芝を見て、撫でている。

ショルダーバックに地図を入れて、リネンの深い紫色のワンピースを選んだ。
ボレロも着ていこうか。


これはユウが嫌いな紫。



でも、私の好きな色。



良い事もあるんだね。

ユウがいたら着れなかったから。
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