スキ☆キス
 


放課後、くつ箱のかげに隠れて標的を待つ。

しばらくしてほとんどの生徒が帰った頃、そいつはやって来た。



―ガコッ



標的…もとい、一琉は
自分のくつ箱を開けると一瞬驚いた顔をした。

くつの上には1枚のノートの切端。

そこには私の字でこう書いてある…



『エリちゃんを
避けている理由を教えて★』



我ながら完璧

きっとあいつはバカだから、私の友達が書いたって思うだろう。

でも一琉は手紙の内容を確認すると、それをクシャクシャに握り潰してゴミ箱に捨てた。



「ちょっ、えぇ!?」



思わず出てしまった声に、慌てて口をふさぎ、隠れる。

まさか捨てるとは思わなかったし…!



「………やっぱり、お前か」



一琉は目を細めてこっちを見ている。

やばい、バレてる…



< 102 / 208 >

この作品をシェア

pagetop