スキ☆キス
 


一琉は私なんかいなくたって平気なの…?



「…そんだけ!じゃあなっ」

「まっ、待って!」



逃げるように帰ろうとする一琉の腕を掴んだ。

一琉は振り返って私の顔を見ると、驚いた顔をした。



「お前っ…」

「あ…のっ、たった今!虎子から聞いたよ!!」



私の顔にはもうマスクなんかしてなくて、

正真正銘の私自身、仁篠絵里衣。



「理由はわかったし、あんたの気持ちもわかった…でも、私のこと避けないで欲しい」



達海が私のことすごく想ってくれてて、一琉がそれに気を遣う理由も十分わかった

けど…



「あんたにとって私は居なくても変わらないかもしれない。
けど私はあんたがいなかったらなんて、考えられないから…
だってあの時出会ったんだもん、一琉に」



今さら、いなかったことになんか出来ないし

今までみたいに話せなくなるのなんか嫌

一琉はバカだし、いっつもムカつくことばっか言うけど、それでも…やっぱり私の中から居なくなるのは寂しい。



「私にはもう必要なんだから!あんたも、もちろん達海たちも」



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