スキ☆キス
 


ようやく放課後

そういえばさっき…



『エリー!今日いっしょに帰ろーっ!!』



なんて、達海に言われていたけど

私は達海が掃除をしている間に、コッソリ帰ることにした。

靴を履き、外に出る



―ガラ ガラッ ガッシャーン…



いかにも、何かやらかしたような効果音が響いた。

目の前には、ドミノ倒しになっている自転車たち

それと、きっとそれを倒した張本人…



「何やってんの、一琉」

「うわっ…お、お前っ」



ヒョウ柄のアイツがいた。

かなり動揺してるし



「バカだね、倒したの?手伝おうか?」

「おうっ」



それからひたすらに二人で自転車を立てていく。



「そういえばお前、俺のクラスでも噂されてたぞ。」



地味な作業の途中で、ボソッと一琉が言う。



「…全く、どいつもこいつも…お前のどこに惚れる要素があんだよ」



相変わらず、失礼な奴。

でも、言えてる



「そんなの、私にだってさっぱりわかんないよ」



二人はどうして、私なんか好きなんだろう

考えたってわかんない



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