スキ☆キス
 


―カシャン



私は、最後の自転車を立てた。



「はい、ラスト終わりっ」



ふぅ、とYシャツの袖で汗を拭う



「じゃ」



いつの間に乗ったのか、一琉は自分の自転車にまたがり、片手をあげた。

お礼の一つも、ナシっすか。



「あぁあああっ!!!!」



私の叫び声が響く



「…んだよ」

「このまま歩いて帰ったら…ドラマの再放送に間に合わない…」

「は?」



じっと一琉の目を見つめる

見つめられた当人は、目を細めて私を睨みつける。



「…っ、あーもう乗れっ!!!」

「わぁーイッチーやっさしーい」



思ってもいないことを口にして、一琉の後ろに座る。

アニマル柄の自転車に乗る恥ずかしさとかは今は忘れることにしよう



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