スキ☆キス
あー…もう、
何も考えないことにしよう
それが1番!!!!
そんなことを思いながら、"無"を心がけてぼーっと帰り道を歩いていると、誰かにぶつかった。
―ドンッ
「わあっ、ごめんなさい!!!」
その人の顔も見ずに、深々と頭を下げる。
「………エリ?」
聞き覚えのある声に、直ぐ様顔を上げて目を見開く。
なんで…
「やっぱり!
エリじゃん久しぶりっ!!」
違う高校の制服を着た女の子は、バシバシと私の肩を叩く。
ドクンと心臓が鳴った。
痛くて痛くて、早くここからいなくなりたい
「もー、エリ何も言わないで転校しちゃうんだから…」
今、なんて言ってた?
そんなの聞いていられる状態じゃない
とにかく、早く、早く…
「てか今どこ行ってんの?
あ、その制服ってさぁ…」
逃げ出したい
「ごっ、ごめん!美奈!!
用事あるんだ、ごめんね」
私は小さく頭を下げて、小走りで横を通り過ぎた。