スキ☆キス
もう誰かを傷つけるのも
自分が傷つくのも嫌
「言えよ」
「いや」
「言えって」
「いーや!」
「……………」
私はふいっと目をそらして回れ右をすると、家に帰るために歩き出した。
―グイッ
後ろから腕を引っ張られて、抵抗できずに振り返る。
「言えよ」
さっきから、そればっかり
「もう、しつこい「言うまで離さねーから」
「なっ!!?」
相変わらずの無表情で、ツッチーは私の腕を掴んだまま、目をそらさずに黙ってじっと私を見る。
それから一言、付け加えた。
「それに、隠されたら余計知りたくなるのが人間の心理だ。」
「…っ、ツッチーには関係ないじゃん!!」
「ここまで関わっといて、関係ないはねーんじゃねぇの」
やっぱり、どうあがいてもツッチーに言葉ではかなわない
結局は言いくるめられてしまう
「わかっ…た、話すから、離して」
私が観念すると、意外とアッサリと手を離してくれた。