スキ☆キス
「「で、どうぞ」」
双子の声がハモる。
うわぁ、この空気で語る内容じゃないんだけどなぁ
私は一度スーッと息を吸い込んだ。
「…私ね、最低なことしたんだ」
もし、話して嫌われても、軽蔑されても仕方ない
だって私は、実際に嫌われるようなことをしたんだから。
「あの時、美奈に初めて彼氏が出来た時、私もすごく嬉しくて一緒になって喜んだ。」
私はあの時のことを思い出しながら、ゆっくりゆっくり話し始めた。
「それから少しして、すごくカッコイイ男の子に会ったの
そしたら私、気付いたらその男の子にキスしちゃってて
その日、美奈から彼氏と別れたって連絡が来た。
他の友達から聞いた話だと、私を好きになったって言われて、フラレたみたいで…
あぁ、あの人が美奈の彼氏だったんだって気付いて
すごく、罪悪感でいっぱいだった。
でも、言えなかった。」
知らなかったで済まされることじゃないってわかってる
でも、私にはそれさえも言えなかった。
嫌われるのが、怖くて。