スキ☆キス
―カシャン
「一瞬だから見てろよ、俺の必殺技をてめぇにくらわしてやる」
今までに見たこともないような、真剣な目つき
風がピタッと止まった気がした。
「……………」
「……………」
お互い、睨み合ったまま
先に口を開いたのは、一琉だった。
「三芳流、奥義!!
"逃げるが勝ち"」
そう叫んだかと思うと、一琉は回れ右をして思いきり自転車をこいだ。
物凄いスピードで自転車は風をきり、進んで行く。
途中、チラッと後ろを振り返ると、足達くんはポカンと口を開けてつっ立っていた。
「………ダサい、一琉」
後ろ姿にぽつりと呟く。
「あ?しょーがねぇだろ、だって黒帯だぞ!?」
「あんた強いんじゃないの!?」
だってクミタン曰く、"百獣の王"だって…