スキ☆キス
「バカ、んな訳ねぇだろ!
俺体育で3以上とったことねーんだぞ!?」
「フツー!!!
ってかむしろ私より悪い!!!?」
それにそれ、威張ることじゃない!
せっかく、助けてくれて
少しはカッコいいと思ったのに
「それよりお前、さっきの何だよ」
「なに?」
「蛍光塗料がなんとかって」
あぁ、あれか
「別に、ただあの時は一琉の周りだけがキラキラ光って見えたの。」
「なんだそれ」
一琉はふん、と鼻で笑う
でも、本当だもん
「なんか一瞬だけど、白馬に乗った王子様に見えた」
「……………」
助けてくれて、助けてくれたのが一琉で、嬉しかった。
「ねぇ、なんで黙んの」
急に黙る一琉のシャツを引っ張る
「ふ、ふんっ
まぁ悪い気はしねぇな」
そう言う一琉の声は、いつもより少し高い。
顔を見ようと思って少し体を横に傾けるけど、見えなくて
代わりに、何故か赤い一琉の耳がピクッと揺れた。