スキ☆キス
「そん時の礼、まだもらってねぇ」
「はぁ?そんな前のことまでー?ちっさい男ー…」
言っている途中で、唇をふさがれる。
状況が把握できなくて
目を綴じることができなかった。
わかるのは、一琉の顔がすぐ目の前にあること。
「…ちっさい男で、悪かったな」
私から離れると、一琉は小さく呟いて立ち上がる。
私は相変わらず地面にしゃがみこんだままで…
「…勝手に、もらわないでよ」
きっと今、すごく顔赤い。
こんなに、終わってからもドキドキするキスは初めてだった。
「ほら、乗れよ、送る。」
そう言って一琉は、倒れていた自転車を立てた。