スキ☆キス
「………………」
私は黙ったまま、自転車を見つめて険しい顔をした。
「あ?早く乗れよ」
「このまま送られたら、また礼くれとか言うんでしょ」
「いっ、言わねーよバカっ!」
一琉に怒られて、半ば強制的に自転車に乗る。
ゆっくりゆっくり、景色が流れていく
心地いい…
「一琉……」
自然と、名前を呼んでいた。
「あ?」
好きだよ。
「なんでもないっ」
ぎゆっと一琉の背中にしがみついた。
今はまだ、もう少しこうしていたい。
気づいたばかりの私の恋心
いつか言える日が来るかな
「変な女」
そうボソッと呟いて、一琉はいつもよりゆっくり自転車をこいだ