スキ☆キス

だれの味方

 


それから毎日毎日、美奈は放課後になるとやって来た。

一琉に、会いに。


私は二人が話している姿を窓から眺めながら、二人が帰るまで教室に居座る。

近くで見たら、耐えられなくて泣きそうだし。


そしてあの日からツッチーは毎日授業をサボっている。

見かけるのは朝の一瞬と帰りの一瞬だけだから、謝る隙も、話しかける隙さえもない。



「謝んなきゃ、いけないのに…」



ハァと小さくため息をついた。


そんな日が続いて、早1週間

今日も4階の教室から、窓の下を覗き込む。

どうせなら、早く付き合ってくれちゃえばいいのに

そしたら、こんなに気にすることもなくなるし、苦しい思いもしなくて済むのに…



「何してんだよ、お前」



一人のはずの教室に、別の声が響く。

ドアのすぐそばには、ツッチーがいた。



「ツッチー…!」



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