スキ☆キス
 


「じゃあね一琉っ」

「おう」



校門の前で別れる奴らを見つけた。

俺は、後ろから女の方の肩を掴む。



「あんた、何が目的だよ」

「えっ?」



女はわけがわからない、という顔をしている。

それもそのはず、事実上俺達は初対面だ。

だけど、俺はコイツを知っている。



「アイツはあんたのこと信じてんだぞ、やられたからって同じことをやり返してもいいのか」

「え、何?だれ…?」

「おい、何言ってんだよお前」



バカな男が俺の腕をはらう。

相変わらず、コイツの顔を見るとイライラする。

それが今日はいつもの倍だ。

バカと話すのは、好きじゃねぇ



「アイツは、仁篠はてめーのことが好きなんだぞ
それを知ってコイツはてめーにちょっかい出してる、それが気にくわねぇ」

「は?意味わかんねぇんだけど。コイツはただの友達だし、それになんでアイツが俺のこと好きになんだよ?ありえねぇ」



アイツの気持ちどころか、自分の気持ちすら気づいてないなんて、バカにも程がある。

お前がありえねぇよ



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