スキ☆キス
 


「もう、やめてよ…」



気付いたら、口から出ていた。


一琉と美奈の所に、ツッチーが話しかけに行くのを

遠くから見てた、ずっと。

最初は黙って聞いていたけど、もう、耐えられない。



「なんで、余計なことするの?」



聞きたくないことまで、聞いてしまった。



『許せないよ!!!』



美奈は今でも、私のことを許してくれていなかったんだ。



「エリ、あたし…」

「ごめん、全部私のせいだ」



私のせいで、美奈にあんなことを言わせてしまった。

それが、物凄く辛い。


ツッチーだって、私が素直にならないから、あんなことを言ったんだ。

全部、私が悪い



「本当に、ごめんね」



何度謝っても、何度頭を下げても、足りない



「…悪いけど、佐川とお前、帰ってくんねーかな」



一琉が、美奈とツッチーに向かって言う。



「俺、コイツと話がしたい」



< 158 / 208 >

この作品をシェア

pagetop