スキ☆キス
 


怖い…


隣にはゆっくりと自転車を押しながら歩く一琉

さっきからずっと何も喋らなくて、いつもと違う一琉に余計怖くなる


話って何?

この空気で、いい話じゃないんだろうなってことはわかるけど…

私は耐えられなくなって口を開いた。



「ちょっと、話って何。いつまで無言でいる気「アイツの言ってたことは本当か?」



急に足を止めて、私の顔を見る一琉。

アイツって…ツッチー?



「俺は、お前が友達の男を取る奴にも、佐川がそれに復讐するような奴にも見えねぇ」



一琉…

ごめん、私…人の彼氏を取るような女なんだよ



「俺は、何を信じればいい?」

「何…っていうか、私のは本当で…でも……」



でも美奈は…



「美奈はきっと、本当に一琉のことが好きなんだと思う」



きっとそれは嘘じゃないと思う



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