スキ☆キス
 


「お前、知らなかったみたいだけど佐川が言ってたぞ
お前が転校してくるまでアイツ、クラスで浮いてたらしくて…でもお前が来てから初めて信じられる友達が出来たって」



そんなこと…

全然知らなかった。



「だから余計に辛かったんだろ、お前が…そんなことしたのが」



涙が溢れて止まらない

こんな私に泣く資格なんてないのに



「一琉…美奈のそばにいてあげて」



声が震える



「何があっても美奈を信じてあげて、そして絶対に裏切らないで…」

「………他は?」



私の目を見て、一琉が聞く



「私、いっつもヒョウ柄ばっか身につけて、ほんとはケンカが弱くて、そんな男が好きだった」



もう、過去形にしなきゃ



「大好きだったの」

「……そうか」



そう呟いて一琉は再び自転車を押して歩き始めた。

…バカだから、自分のことだってわかってんのかな?



「……ばいばい」



小さく呟いて、来た道と逆に走る


返事は、なかった。

それが答えだから。



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