スキ☆キス
「アルバムみたいにさ、頭ん中に思い出を詰め込んどくんだ。そしたらその内、どんどん新しい思い出にぬりかえられてっていつか忘れられる。」
忘れられるの…?
忘れちゃうの…?
「でも、思い出はずっと大切なままなんだ。忘れたと思っても、絶対どっかの片隅に小さく残ってる。」
トントンと小さく自分のこめかみを叩く
その言葉に少し、安心している自分がいた。
「そういえばずっと忘れてたけど…玖海も、タンスの奥とかにしまってあるかも、アルバム。」
絶対に残っている
結局は、絶対に忘れられないってこと
達海や、クミタンの言葉を聞いて安心している自分は
本当は、忘れたくなかったんだ。
「私も、確か写真が…」
ガサゴソと鞄の中をあさる
一琉と私が写ってる、唯一の思い出の写真。