スキ☆キス
一琉はキレながらヒョウ柄ネクタイを緩め、腕を捲り始めた。
「もう今日こそはてめーをぶっ潰す!!!」
「面倒臭いから一人でやってろよ」
「また逃げんのか、お前男じゃねぇな」
「どうせ俺には、お前みたいな安っぽいプライドないし」
槌谷くんは一琉のことなんか完全無視で、スタスタと保健室を出て行ってしまった。
「はぁ!?待てよ」
「完敗だよ、イッチー」
今にも追いかけようとしている一琉の肩を達海が掴む。
「ふざけんなっ
俺のどこがっ…!」
「私から見ても、一琉は槌谷くんに負けてたよ」
「おいてめーブスっ
なんで俺だけ呼び捨てだよ」
またブスって…!
「私より格下の人間に"くん"なんて付けるわけないじゃんっ!!」
「はぁ!?誰が格下だこのやろーっ!」
ぎゃあぎゃあと言い争うこと10分、しびれをきらした達海が私たちを止めた。