スキ☆キス
 


「うぁっ、か、勘違いすんなよ!俺はただ、玖海が行きたくねーっつぅから来ただけで…っ!!」



なんだ、そっか



「ありがと、大丈夫だから」

「そ、そーか」

「じゃあ私用事あるから…」

「おう」



じゃあな、と言って一琉は私に背を向けた。

どんどん背中が遠ざかっていく
どんどん距離が遠くなる

だけど私は未だにその場から動けなくて、その後ろ姿から目が離せなくて…



「一琉っ!!!」



思わず、彼を呼び止めていた。



「全部、解決したら
伝えたいことがあるの!」



今度は過去形じゃなくて、ちゃんと、"大好き"だって伝えたい

一琉は振り返って小さく頷いた。



「またね!!!」



私はそう叫ぶと、踵を返して待ち合わせ場所に向かった。



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