スキ☆キス
"探さないで下さい
ってか入らないで下さい"
クミタン特有の男の子らしくない丸字でそう書いてあるはり紙が、1階の男子トイレの入口に貼ってあった。
「……クミタン?入るよー?」
私はそれを無視してドアを開けようとする。
でも、内側からクミタンがおさえているのか、ドアは押してもびくともしない
「入んないでって書いてあんじゃん
てかそもそもここ、男子トイレだけど」
中から聞こえた声に、ため息をつく
「それがどうしたの?
私はクミタンと話があるの」
「俺にはないよ」
「じゃあそのまま聞いて」
私はドア越しに語りかけた。
「ねぇさっきの、嘘でしょ
私たちのこと友達だとか思ったことないなんて」
「……なんで、そう思ったの?」
「だって、しゃべり方が裏クミタンじゃなかった!」
私がうん、と一人で納得していると
ゆっくりと目の前のドアが開いた